これは、感想です。


まず、この動物のからだ展は終了しています。

ホームページはこちら。


この展覧会の概要ですが、ざっくり言うと

見て、触れて、写真も撮れる身近な骨格展

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でした。


この展覧会の感想を端的に述べると

「最高」

でした。


何がどう最高なのか。

見せ方が拘っている。


これが凄いです。

たとえば、博物等に行って何かの骨格標本を見たとします。

化石でも良いです。

この中で、記憶に残りやすいのは、
大きくて、立派なもの。

恐怖を感じるもの。

色鮮やかなもの

…そう。

非現実的なものに対し、記憶が残りやすい傾向にあります。

しかし、この「動物のからだ展」は、すごく一般的なものばかり。

動物園に行けば大体生きている生き物に出会えます。
具体的には、ニワトリ、ライオン、キリン、カバ馬…どれも1回は見たことがある生き物です。


このように本当に身近な生き物の骨格や筋肉標本を展示していました。

その中でも、
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これらは、人の腕の大きさに合わせた各生き物の腕の標本です。

各写真の右下のプレートに生き物の名前がありますね。

そちらで答え合わせしてください(笑)


この比較の展示で何が分かるか。


私たち、人間とその他の生き物の骨格は違うようでほぼ一緒です。

これが重要です。

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各展示物を引きで撮るとこんなんです。


私たち人間が、母親の胎内で育っていく際、数億年の進化を数ヶ月で経過していくと比喩され、他の生き物とそんなに変わらないよと言われたりしますが、このように骨を通し、事実を突きつけられると、唖然とします。

またこのようなボードもありました。
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わかりやすいですね😊


何故このような事になっているのか。

発生の砂時計モデル

という言葉があります。

地球上の脊椎動物は、卵の形態や、成体の形態は多種多様ですが、結局は遺伝子の使い回しで、似たような道を辿る。
という事なのですが、
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これです。

受精卵から胚になり細胞分裂し、各々の形態へ成長していく過程で、制約が発生し、沢山あった種類が、少なくなってしまう現象の事です。

こちらがリンク先


つまり、体の設計図とも言われる遺伝子を使い回ししている影響もあり、基本設計が殆ど一緒となります。

ざっくりいうと車みたいなものですね。
ショベルカーや、乗用車…
見た目はだいぶ違いますが中身はほぼ一緒です。



何故このような事を言うのかと言うと…亀もそうだからです。

亀は地球上に存在する脊椎動物の中でも特殊な構造を、しています。
人で言うところの肋骨、背骨が外郭を覆い、甲羅となり、肩甲骨が肋骨の内部に入っているという極めて珍しい構造です。
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これらは、
ミズオオトカゲ
カミツキガメ
オオサンショウウオ

の全身骨格標本です。
見てもらうと分かるように、亀の甲羅は隙間なく塞がり、鉄壁の要塞のようになっています。

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こちらはスッポンです。

別名ソフトシェルですね。

甲羅がないと言われたりするスッポンですが、砂に潜り易く、容易に砂に紛れる為に、硬い甲羅をあえて完全に硬化しないようにしています。


ここまでは、骨。
硬骨でした。

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次にこちら。


知ってる方も居てると思いますが、軟骨と硬骨を色分けした染色標本です。

これにより、軟骨と硬骨が一目瞭然です。

魚を見てもらうとわかりやすいですね。

赤紫が、硬骨

青色が軟骨です。


では、亀はどうでしょうか。
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ほぼ、ベビーの大きさだったのですが、甲羅の元が作られていますね。

軟骨の部分は思った以上に少なく、甲羅の骨の間は空白。

人の赤ちゃんの頭蓋骨みたいな感じですね。


外見は成体とそこまで変わらない…などと感じていたりしても、このように体内を見てみると違いや、成長の過程での各々の体の仕上がり方が違うなど…
様々な事がわかり楽しいです。



このように亀は甲羅が固く守られているので、体の外部からの攻撃等には強いですが、内部からには弱い事が考えられます。
例えば、マイクロチップ。
痩せている個体に注入するとなると…内臓に負荷がかかるのでは??

例えば体調不良
腸内にガスが溜まったらその膨張したエネルギはどこに逃げるの??

とか様々な事が考えられます。





ここまでは、ほぼ亀でしたが
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このように様々な生き物の骨が展示されています。

カバの骨は…凄いですね。

恐竜時代の哺乳類に似た骨骨感。
カッコイイです。



こちらは面白い展示。
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ヤマシギという鳥の骨格標本に、羽を付けたものです。

このように羽がついているのか!!

ともなりますし、より、体に対しての理解が深まりますね。


ヤマシギの生きてる姿はこちら
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鳥類は大体、目の所に骨がありますよね。


これは、飛行時に眼圧が高くなった時、目が外側に飛び出さないようにするための骨と言われています。

深海魚が地表に来ると、目が飛び出ますからね。
その現象を防ぐ為のものですね。


また、、このような機構は、1部の恐竜にも備わっており、竜脚類は鳥と言う説がより真実味を帯びていますね。

鳥は恐竜
恐竜は鳥

というのが今の定説ですが、今後またどのように変化するのかは化石発掘や、研究により明かされていくと思います。

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これは、骨を3Dプリンターで復元したものです。
先程の目の骨がよりわかりやすくなっていますね。

また、このような技術が発展したからこそ、ある博物館から持ち出しできないようなものも複製し、展覧会が出来るようになりました。
技術の進歩は凄いですね。


次にこちらをご覧下さい。
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この鶏の仲間の骨格標本に、1部偽物。

3Dプリンターで作り出した骨が混じっています。



パッと見違和感が全く無いですよね。

それほど、3Dプリンターでの複製技術が凄いことが分かります。













わかりますかね?






ほとんどの人は分かりませんでした。










では、ヒントです。



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この中にあります!!!




どこでしょうか??
















では、答えです。

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2枚目の大腿骨を見てください。


ザラザラしていますよね。

これが3Dプリンターで複製した時の癖みたいなものです。

この展示会で複製されていたのもは総じて、ザラザラしていました。

このような展示会は今後もして行くと示唆されていましたし、もし、今後も似たような展示会があれば是非参加してみてください。

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